iPSから視神経細胞、初成功

目から脳に視覚情報を伝える神経線維を持つ視神経細胞を、人間の人工多能性幹細胞(iPS細胞)から作ることに世界で初めて成功したと、国立成育医療研究センターなどのチームが2015年2月10日、英科学誌に発表した。チームはiPS細胞を特殊な培養液の中で目のもとになる細胞にした上で、別の液に入れ、視神経細胞に変化させた。視神経細胞は目の網膜の中にある本体部分と、本体から脳まで長く伸び、視覚情報を電気信号として伝える神経線維「軸索」から成る。本体部分と、機能を持つ軸索を一緒に作製したのは初という。チームは作製した細胞で視神経細胞特有の遺伝子が働いていることや、軸索を電気が伝わるなど、正しく機能していることを確認した。

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