日本初の脳死臓器移植

1999年2月28日、入院中の臓器提供希望者(ドナー)が脳死の判定を受け、日本初の「脳死臓器移植」が行われた。高知赤十字病院の40歳代の患者は午前、法に基づく脳死判定で最終的に脳死と判定され、厚生省はこの患者から摘出した臓器の移植について、心臓を大阪大で、肝臓を信州大、腎臓(じんぞう)を東北大と国立長崎中央病院で実施する予定と発表。午後、臓器摘出が始まった。心臓のレシピエント(移植を受ける患者)は40歳代の大阪府在住の男性会社員で病名は拡張相肥大型心筋症。2年前の1997年6月に臓器移植法が国会で成立し、同年10月に施行されてから1年4ヶ月後のこと。このニュースはすぐさま大々的に報じられ、脳死判定に至る経緯や報道姿勢に関わる様々な問題も含めて大きな関心を呼んだ。 

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