大型動物に植物の遺伝子組み込みで効果初確認

ホウレンソウの遺伝子を組み込み、肉質をヘルシーに変化させた豚を開発することに、近畿大生物理工学部の入谷明教授(発生工学)、岡崎国立共同研究機構基礎生物学研究所の村田紀夫教授(分子生物学)らのグループが成功した。大型動物に植物の遺伝子を入れ、狙い通りに働くことが確認されたのは世界で初めて。豚に組み込まれたのは、飽和脂肪酸を、健康に良い不飽和脂肪酸であるリノール酸に変える酵素「FAD2」を作る遺伝子。研究グループは、ホウレンソウの根から取り出したFAD2遺伝子を豚の受精卵に入れ、その受精卵を母豚の子宮に戻した。誕生した豚の脂肪組織を調べたところ、普通の豚よりも不飽和脂肪酸が20%多く含まれることが分かった。(2002年1月24日)

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