耐震強度偽装事件で行政に初の賠償命令

姉歯秀次・元1級建築士による耐震強度偽装事件で、強度不足が判明して建て替えられた愛知県半田市の「センターワンホテル半田」の経営会社「半田電化工業」が、建築確認をした県とコンサルタント会社などに総額約5億1600万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が2009年2月24日、名古屋地裁であった。戸田久裁判長は、審査に過失があったとして県などの責任を認め、約5700万円の支払いを命じた。一連の事件で、強度不足を見逃したとして行政の責任が認められたのは初めて。判決で戸田裁判長は、建築主事には建築主の信頼に応える専門家としての注意義務があると指摘。「設計上の問題について調査すべき注意義務を怠った」と述べた。

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