石綿被害「国に責任」最高裁が初判断

大阪泉南地域に集中していた紡績工場でアスベスト(石綿)を吸い、肺がんなどを発症したとして、元従業員らが国に損害賠償を求めた2件の集団訴訟で、最高裁第1小法廷(白木勇裁判長)は2014年10月9日、国の責任を認める判決を言い渡した。全国のアスベスト訴訟で、国の賠償責任を認める最高裁判決は初めて。国の責任の有無をめぐり、2つの二審判決は正反対の結論を出していたが、同小法廷は「国が工場に排気装置の設置を義務づけるのが遅れたのは違法」などとする初の統一判断を示した。判決によって、同時期に他の地域のアスベスト工場で働いていた元従業員にも賠償の道が開かれる可能性がある。

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