初期微動で地震速報の新システム

気象庁は、地震波の初期微動(P波、縦波)の波形から地震の規模や震源を瞬時に推計し、P波到達の4秒後には鉄道会社などに速報できる防災システムを世界で初めて開発した。2003年10月までに東海、東南海、南海地震で大きな被害が予想される地域の計80カ所に専用の新型地震計を設置し運用を始める。従来の地震計を使ったシステムに比べ処理速度が大幅にアップ。大きな揺れを伴うS波(横波)の到達前に電車を止めるなどして、被害を最小限に食い止める効果が期待できる。同庁はこれまで、全国180カ所の地震計が観測したP波データなどをコンピューターに集約。複数のデータから震源や規模を割り出し、テレビ局などに連絡していたが、データ処理だけで数十秒かかるため、実際に連絡できるまでにS波が到達してしまい、鉄道会社などと連携した防災システム構築の障壁になっていた。

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