手術の輸血でE型肝炎感染、国内初

北海道室蘭市内の病院で手術を受けた男性が2002年7月、輸血によってE型肝炎に感染し、発病していたことが分かった。E型肝炎ウイルス(HEV)は経口感染することが知られていたが、輸血での感染が国内で確認されたのは初めて。北海道赤十字血液センターが調べた別の献血からもHEVが見つかった。感染したのは心臓手術を受けた60代の男性。手術には23人分の献血が使われたが、手術後に保存されていた献血を分析した結果、1人分からHEVを検出した。男性から見つかったHEVと遺伝子が一致し、輸血による感染が確認された。男性には吐き気などの症状が出たが、既に完治。日赤はB型とC型肝炎については全献血を調べているが、E型肝炎は調べていない。未知の肝炎ウイルスへの対策として、肝炎になると血液中に増える酵素を調べているが、問題の献血はこの検査に合格していた。(2003年1月18日)

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