最古の十二支像古墳壁画

奈良県明日香村阿部山のキトラ古墳(7世紀末―8世紀初め)の東壁下部に、「寅(とら)」と見られる獣頭人身の十二支像の一つが描かれていたことが新たに確認され、2002年1月21日、報告された。四方の壁に3体ずつ計12体あった可能性が高く、十二支像の図像壁画の発見は全国初めてで、古代朝鮮の新羅に残る7世紀後半ごろの浮き彫りと並んで、世界最古級の十二支像とみられる。四神、天文図、十二支像がセットとなった類例のない古墳壁画の全容がほぼ明らかになり、古代の精神世界に迫る一級の資料として注目される。

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