合成DNA投与で初の筋ジス治療に成功

神戸大学医学部(神戸市)の松尾雅文教授らは2003年12月3日、筋肉が委縮する難病のデュシェンヌ型筋ジストロフィーの男児(10)に対し、人工的につくった合成DNA(デオキシリボ核酸)を利用した遺伝子治療に世界で初めて成功したと発表した。治療は10月29日から始まり、人工的に合成したDNAを1週間ごとに計4回静脈に点滴投与。遺伝子情報の一部を修正することで、筋肉の生成を促すメッセンジャーRNAをつくり出し、血液中のリンパ球で確認された。男児は筋肉を動かすのに必要なたんぱく質「ジストロフィン」が遺伝子の異常などによってつくられず、自力で立つことが難しい状態だった。

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