銀河が衝突する際のブラックホール合体を初観測

岐阜大の須藤広志助手らの研究グループは、二つの銀河が衝突する際、それぞれの中心にある巨大ブラックホールが接近し、合体していく様子を世界で初めて観測した。二つのブラックホールは互いの重力の影響で、円を描くように回っていた。一般相対性理論の検証や、ブラックホールの成り立ちの解明に役立つと期待される。2003年5月23日付の米科学誌「サイエンス」に発表された。須藤助手らは01年3月から1年3カ月間、米国の10台の電波望遠鏡ネットワークを利用し、地球から2.6億光年の銀河「3C66B」を観測、巨大ブラックホールが源になっている非常に強い電波をキャッチした。電波源が1周を1.05年で回る、比較的小さなだ円軌道を描いていたため、別の大きな質量をもつブラックホールがすぐ近くにあることが分かった。軌道を分析したところ、二つのブラックホールが数万年後には合体すると予想された。

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