強制不妊手術で初めて国を提訴

1948年から96年まで半世紀近く続いた旧優生保護法下で、不妊手術を強制された宮城県の60代女性が2018年1月30日、個人の尊厳や自己決定権を保障する憲法に違反するとして、国に1100万円の支払いを求める訴訟を仙台地裁に起こした。同法に基づいて強制手術を受けた人は全国に1万6475人いるとされるが、国家賠償請求訴訟は初めて。訴状によると、女性は15歳だった72年12月、「遺伝性精神薄弱」を理由に卵管の峡部を縛る不妊手術を強制された。また、宮城県が女性側の情報公開請求に基づき2017年8月に開示した療育手帳交付に関する資料には、女性の成育歴に「遺伝負因無し」と記されていたことから、手術の理由を『遺伝性精神薄弱』とした審査過程そのものも信用できないと主張している。

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