運動を模倣し学習する初の人型ロボット

ロボットを通じて脳機能の解明を目指している科学技術振興事業団「川人学習動態脳プロジェクト」(川人光男統括責任者・京都府精華町光台)は2001年8月30日、手の上でポールを立てるなど複数の運動を、人型ロボットに学習させることに成功した、と発表した。知識ゼロから、模倣を通して全身の最適な動作を獲得する仕組みで、「世界初の成果。脳科学にも新たな発見をもたらした」としている。実験に用いた「ダイナミック・ブレイン」(身長190センチ、重さ80キロ)は、人間に近い身体構造と、全身に30ケ所の関節を持ち、頭部には目に当たる2つのカメラを搭載。油圧装置で滑らかな動きを作り出す。今回の実験では、人が見せた手本をもとに、全身の動作や関節の角度を調節しながら、手の上に立てたポール(長さ1メートル)のバランスを半時間近く保つことに成功した。

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